メッセージ フリップブック2009  (授業対象:1年美術選択者)

フリップブック(パラパラまんが)の制作ですが,今年度はいくつかの工夫を組み込みました。

■授業の流れ

1 アニメーションの題材は,生徒アンケートの要望トップであることを提示します。
  →そのことで「やらせられる題材」ではなく「望んで行う題材」であることを感じさせたい。

2 単にフリップブックを作って終わりではなく,誰かへのメッセージを伝える手段として制作すること
  を提示します。
  →友達や家族への感謝の言葉,お詫びの言葉,激励の言葉の他,好きな人への告白などなど。
  →小,中,高の図工美術の授業題材を振り返ったとき,誰に向かって表現しているのかが曖昧である
   場合が多いのですが,この題材ははっきりと表現する対象(ターゲット)が定まっています。

3 統一の制作様式シートにより各自試作品をつくります。
  →シートへの描画はペン書きまで行い,それを白上質紙(110kg)にコピーします。コピーしたもの
   に色鉛筆で着彩した後カッターナイフで切り離し,ホッチキスで留めます。
  →この後行われる相互鑑賞のため,ここでは自分の名前を書かないでおきます。

4 学年の全生徒が完成したところで,相互鑑賞を行います。
  →アニメーションになっているか,メッセージが伝わるかの2項目についてA〜Eの記号で評価し,
   併せてどのような気づきがあったかを文章で記入します。
  →作品には出席番号とは別の通し番号を付けています。
  →評価した記号はパソコンの表計算ソフトに入力し,その結果を生徒にバックします。(データベー
   スソフトを使用)

5 相互鑑賞を行った際の気づきを活かして,再制作します。
  →ここが一番のポイントとして設定しています。通常一度作れば終わりという題材が多い中,他の生
   徒の作品群を鑑賞して発見した学びを自分の作品に活かしてもう一度満足いく作品づくりを行いま
   す。

6 再制作では,制作シートを3種類(A:高難度 B:中難度 C:平易)を用意し,各自に選択させます。
  →自分の能力に応じての選択となりますが,特に製造関係の就職が多い本校にあっては,積極的に難
   易度の高い様式を選び正確に作ることを希望しました。

   レベルA制作途中  レベルB制作途中  レベルC制作途中

7 再制作した作品を実際にプレゼントします。
  →その際にこちらで用意した感想カードを添えて,もらって見たときの感想を記入していただきまし
   た。

   感想カードより

 

この題材の特徴をまとめてみると,

  A メッセージを伝える手段としての作品であること。
  B 相互鑑賞での学びを基に再制作を行うこと。
  C 制作の様式を自己の能力に応じて選択させること。
  D 実際に作品を贈り,感想を返していただくこと。
  E 映像メディア表現の題材であること。

となります。

  作品例1

  作品例2

  作品例3